エベレスト街道屈指の絶景ポイント「ゴーキョ」到着
あっという間にチョラパスを越えて、ついに今回のエベレスト街道トレッキングで最後の目的地「ゴーキョ」に到着。ゴーキョはエベレスト街道屈指の絶景ポイントで有名な村なので、ゴーキョ単体だけでなく、エベレストベースキャンプとセットでトレッキングする人が多い。ここまでのルート途中で出会ったトレッカーたちからもゴーキョについての良い噂を聞いてきた。目の前の大きな湖をゴーキョから見る景色も素晴らしいが、ゴーキョ村の裏手にあるゴーキョリと呼ばれる丘からゴーキョ村とゴーキョレイクが一望できる絶景はもっと素晴らしい。また、ゴーキョリからの絶景はそれだけでなく、エベレスト、ローツェ、チョオユーなどの山も一望できる。
エベレスト街道で出会ったトレッカーたちには、エベレストベースキャンプではなくゴーキョのためにネパールまでトレッキングに来たというトレッカーも数多くいた。わたしが、ゴーキョに到着した時に同じロッジにいたアメリカ人はゴーキョを見るために遥々アメリカからやってきたと言っていた。最初は冗談かと思ったが、そこで初めてエベレスト街道トレッキング=エベレストベースキャンプではないことを知って驚いた。ゴーキョ村はロッジが数軒あるだけの小さな村。しかも、コロナウィルスの影響と前日にカトマンズがロックダウンになったのでトレッカーがほとんどいなかった。トレッカーが少ないので多くのロッジが休業中だったが、トレッカーが少ないことはある意味ラッキーだった。まともに営業しているロッジは2軒ほどで、チェックインをすると顔馴染みのトレッカーたちばかり。コロナ禍ということでトレッカーの数が少ないこともあるがトレッカーは基本的に同じルートを歩くので顔馴染みになりやすい。ロッジには一緒にコンマラパスを越えた欧米カップルやクムジュン村にいたアメリカ人など知っている人ばかり。そして、ここまで来たトレッカーは共通の話題も多いので、仲良くなりやすい。世間はコロナで大騒ぎにも関わらずこんなヒマラヤの奥地でトレッキングをしている人たちはやはり変わり者で面白い。そんな彼らに、はっとさせられることも多々あった。トレッキングとは孤独なもので修行のようなものだとばかり思っていたが、振り返ってみると意外とロッジでは孤独ではなかった。ゴーキョでは、ゴーキョリに行くために2泊。ゴーキョリを登った翌日は、3パストレッキング最後の峠「レンジョラパス」を越えて一気に下山していく。
エベレスト街道トレッキング最後のピーク「ゴーキョリ」を制覇
ゴーキョリはゴーキョのすぐ裏手にある丘。丘までは歩いてすぐなので、いつもより遅めの8時にロッジを出発。8時でもかなり早いので、もっと遅くに出発しても問題ない。しかし、前日に3パストレッキングの1つ「チョラパス」を越えているので当たり前のように疲労が溜まっている。前日までの疲労を考慮しなければ体力的には厳しいピークではない。ゴーキョからゴーキョリまでは約5時間のトレッキング。登りは約3時間、下り約2時間くらい。どうしても通常のトレイルに比べて頂上(ピーク)に登る場合は体力的にも精神的にも登りに角度がある分、辛いトレッキングになる。ゴーキョリは比較的簡単なトレッキングで、急な登りが続くがカラパタールほど急な登りが長くないように感じた。
ゴーキョリからはゴーキョ村とゴーキョレイクを一望できる。ちなみに、ゴーキョに滞在するトレッカーの中にはゴーキョリだけでなく、チョオユーベースキャンプを目指すトレッカーもいるようだ。ロッジにいたルーマニア人夫婦は寧ろゴーキョリでなく、チョオユーベースキャンプまで行ったと言っていた。どちらも日帰りでゴーキョに戻ることができるポイント。チョオユーベースキャンプの近くではゴーキョレイクを間近でみることができるだとか。
3パストレッキング3つ目「レンジョラパス」
ついに、今回のトレッキングの目的であった3パストレッキングの最後の峠「レンジョラパス」越え。エベレスト街道をトレッキング中にガイドやトレッカーたちから3パストレッキングの難易度はコンマラパス>チョラパス>レンジョラパスの順番で厳しいルートと聞いていたが、まさにその通りだった。特にレンジョラパスの場合は、ゴーキョからルンデに抜けるルートよりもルンデからゴーキョに抜けるルートの方が登りが大変でトレッキングが難しいこともあり、今までの峠越えと比べて簡単な峠越えだった。
ゴーキョからレンジョラパスを越えた先にある村ルンデまでの道のりは約6時間のトレッキング。ゴーキョを早朝に出発すればルンデでお昼ご飯を食べることができるので、今回はいつもの峠越えのようにランチパックを持参せずルンデで昼食を食べることにした。毎度の如く、峠越えをする日の朝は早い。ゴーキョを朝7時に出発してすぐに5,345mの峠を越えていく。最初の3時間で峠越えをするのでほぼ寝起きにも関わらず出発してから暫くは厳しい道が続く。ルンデ村に到着する直前には、ネパールからチベットに続く道が見えてくるので目印にするといい。ここまで来るとルンデまで目と鼻の先。
ルンデは大きい村ではないが、レンジョラパスを越えるトレッカーたちが必ず滞在する村なので宿泊施設が充実している。しかし、今回は体力的な余裕もあったので、次のターメ村まで先を急ぐことにした。ターメ村はエベレスト登頂のギネス記録を持つカミ・リタ・シェルパの故郷と聞き、滞在してみたいと思っていた村だ。