絶景トレイル「デボチェ村」〜最果ての村「チュクン村」【2021年エベレスト街道3パストレッキング④】
まさかの満室「タンボチェ村」。急遽、「デボチェ村」を目指す
クムジュン村で高山病を経験した翌日は、次の村タンボチェ村(3,860m)を目指す。前日のクンデピーク下山後に高山病の症状が出てからはロッジで朝まで寝ていた。そのためか翌日には高山病の症状が殆ど完治したので助かった。ここからのトレッキングは、一気に標高が上がって行った。クンデピーク(4,200m)で軽い高山病になったため、山岳小説から学んだ高山病対策としてこの日から水を1日に4L飲むことを自分に課すことにした。(普通は1日3Lが目安?ということだ)
すでに富士山の標高3,776mを超えてのトレッキングになるので、登り坂では当たり前のように直ぐに息が上がる。しかし、目の前に絶景トレイルが続くのでその景色を見るだけで何とか耐えることができてしまう。クムジュン村からタンボチェ村までは約6時間のトレッキングになったが、アップダウンの少ない道が続いて5時間くらいで到着。この日はタンボチェ泊の予定だった。しかし、到着して直ぐに数軒のロッジを確認すると何故か全て予約済みで満室。コロナ禍でトレッカーが少ないため空きがあると思っていたが、どうやらサミット(登頂)を目指す団体が多く宿泊予約しているらしい。タンボチェ村のロッジが満室という予想外の展開となったので、次の村「ディボチェ村」まで目指すことに予定を変更した。後日知ったが、タンボチェ村は、エベレスト街道の中でも比較的大きな村で見所が多く、宿泊者も多い村ということだ。その中の見所の1つがエベレスト街道で最大規模のチベット寺院タンボチェ・ゴンパ。
また、近くにはタンボチェリ(4,200m)と呼ばれる丘があり、ここもまた多くのトレッカーが高度順応に訪れる場所である。私は訪れなかったが、他のトレッカーからはタンボチェリからはエベレスト、ローツェ、ヌプツェ、アマ・ダブラム、タムセルクなどの名峰を一望できると聞いた。タンボチェ村は宿泊施設が少ないだけでなく、サミットを目指す団体も宿泊する場所になっているためトレッカーの宿泊が困難な場合が頻繁にあるらしい。ここに滞在する予定があるトレッカーは宿泊ロッジを事前に予約しておいた方が無難だと思う。タンボチェ村から次の村「デボチェ村」までは30分くらいの下りなので、デボチェで宿泊する選択肢もあると後で気が付いた。しかし、タンボチェリに登る予定であれば、登り坂を再び引き返すことになるのでやっぱりタンボチェ村で宿泊した方が良い。
デボチェ村のロッジではエベレストサミッター(登頂者)の集団に遭遇。コロナ禍にも関わらずこの年も約500人がエベレスト登頂に挑戦しているのには驚いた。
大雪で足止め!?ディンボチェ村
デボチェ村からディンボチェ村(4,410m)への道もここまでの道と同じようにアップダウンの少ない道が続くため歩きやすい。どうでもいい余談になるが、「デボチェ」と「ディンボチェ」は名前が似ているのでよく間違われやすい。デボチェ村からディンボチェ村への途中「ペリチェ村」と「ディンボチェ村」との分岐点がある。エベレストベースキャンプを目指す人はペリチェ村から目指した方が近道になる。しかし、エベレストベースキャンプに向けて高所順応をするためにトレッカーはディンボチェ村(4,410m)経由でエベレストベースキャンプを目指して帰りはペリチェ村経由で帰るルートが一般的らしい。ディンボチェの手前には、アマ・ダブラムベースキャンプへ続く道もあり、ディンボチェ村にはアマ・ダブラムサミッターたちも集結している。
ディンボチェ村は、アマ・ダブラムだけでなく、ロブチェ経由でエベレストベースキャンプやチュクンからアイランドピークを目指すトレッカーなど各方面へ向かうトレッカーとサミッターが立ち寄るため、他のエベレスト街道に点在する村と比較して大きい。さすがにディンボチェまで来ると、ロッジで購入するお菓子やミネラルウォーターの値段はナムチェと比べてかなり高くなってくる。この時、ロッジで購入したミネラルウォーター1Lは1本250ルピー。しかし、何故かディンボチェ村では小さい売店で安く売られていた(ミネラルウォーター1Lが1本100ルピーでナムチェと同額)。
また、ディンボチェ村の裏山にはあまり日本人には知られていない(人気がない?)、ナガゾンピーク(5,100m)という5,000mを超える丘があり、高所順応に加えてアマ・ダブラムの絶景を堪能できる丘がある。所要時間は往復4時間で高所順応に丁度良い。今までのルートで1番急な登りだが、これから先5,000m以上の場所に行く前に5,000mを登れたということは高所順応だけでなく大きな自信にもなるだろう。エベレストベースキャンプに行く人はここで高所順応することをおすすめされている
ナガゾンピーク(5100m)から下山してから、雪が降り始める。
雪山トレッキング !?最果ての村「チュクン」
ナガゾンピークから下山した翌日。前日から降っていた雪が昼前になっても降り止まない。どうにか少しでも先に進みたいが、この日は昨日から降り続く雪で待ちぼうけを食らうことになった。この日、雪が積もったためにここからのエベレスト街道は一気に雪山トレッキングになっていく。ガイドたちに聞くと春先にこれだけ雪が降ることは珍しいことらしい。この日は、ディンボチェ→チュクン→チュクンリ→チュクンのトレッキングを予定していたが天候の影響で変更することになった。ガイドと相談した結果、お昼までに雪が止めばチュクンまで移動すが、雪が止まなければディンボチェで延泊にすることにした。雪が降っているだけならトレッキングには問題はないらしい。しかし、積雪が15cmくらいあるためルートが雪に埋もれている可能性があることが不安要素とのことだった。雪山でのトレッキングは非常に危険なため、少しでも先に進みたいという感情を押し殺してトレッキングガイドたちの意見に従うことが大事になる。
雪は降り続けているが、道が比較的歩きやすいディンボチェからチュクンまでを移動できるかどうかをトラッカーたちはロッジで模索していた。チュクンまではたった3時間のトレッキングなのでみんながギリギリまで粘る。お昼になっても雪は降り続いていたため、延泊するかと思われたが同じロッジに宿泊していてアイランドピークを目指すルーマニアのトレッカーたちがチュクンまで強行するということで同じく強行することにした。最初はガイドもあまり乗り気ではなかったが、ポーターの代わりに彼らが引き連れているヤクが先頭になりルート工作をしてくれるということが決め手となり便乗することが決定した。しかし、最後の最後までヤクもヤク使いもこの大雪の中での移動を嫌がり渋って交渉進まず。結局、ルーマニアのトレッカーたちが追加でお金を出すということで話が纏まりラッキーなことに便乗できることになった。
